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一度、某掲示板に載せてみて、ご意見をいただき、
色々と書き直している途中のお話です。

 

 

 

第1話

 

カンカン! ガチャ!

「ふぅ また失敗・・・。」
ここはルーンミドガルド王国の首都プロンテラ。
露店が並ぶ賑やかな通りからずいぶんと離れた人気のない場所で
集めてきた鉄鉱石を材料に鉄を製造しているブラックスミスのミーシャ。

溶鉱炉の熱で汗ばんだ肌に張り付く青い髪をかきあげ
また次の製造に取り掛かろうとしたとき、
『ブレッシング!!』
突然,ふわりと身体が浮かび上がるような感触。
「え・・・?」
振り返るとそこには銀髪のプリ-ストが一人。
「グロリアあるけど、手伝おうか?」
「あ・・・えと・・・・あの・・。」
とてもありがたい申し出だけれども躊躇してしまう。
ミーシャは鉄鉱石集めのためにお金を使い果たし、
支援してくれたお礼をすることができない。
「私・・お礼できないですよ?」
プリ-ストは驚いた表情でミーシャを見つめ、
「お礼?そんなの考えてもいなかったよ。
 そんなこと気にせずに、僕に手伝わせてください。
 製造するのにはいたほうがいいですよね?」
そう言いながら私にバッジを渡してくる。
このバッジは同じパーティの中に入るという証で
同じパーティ内にいる間は
彼が使うグロリアという、運が向上する呪文の効果を受けることができる。
製造するには運が必要で、プリ-ストの支援があると成功率も上がる。
「ありがとう・・・よろしくお願いします・・。」
素直にバッジを受け取り、プリ-ストと同じパーティに入る。

その後、プリ-ストの支援のおかげで、ほとんどの製作が成功し、
なんとかソードメイスを作れるだけの鋼鉄を作成することができた。
外は日も暮れてすっかり暗くなってしまった。

「すみません・・こんな時間までお手伝いしてもらっちゃって・・
 あとはソドメをつくるだけなので・・もう少しお願いしてよいですか?」
「当たり前ですよ?武器作るときこそ一番支援が必要じゃないですか。」
プリ-ストはミーシャの額に流れる汗をぬぐいながら優しく微笑む。
恥ずかしくて顔が熱くなってくるのをごまかすように金槌を手にし、
「えと・・では・・風ソドメ・・いきますね・・・。」
金敷を置き、製造しようとかまえる。
『ブレッシング!』『グロリア!』
プリ-ストが呪文を唱える間に、深く深呼吸をして
材料を揃えて金槌を振る。
「えい!」
カンカンッ! カンッ!

「あっ!」
「あっ?」

二人同時に声を出す。
ミーシャの手には、完成したばかりの風の属性を持ったソードメイス。
柄の部分には、強さをアップさせるという星型の紋章が刻まれている。
「おめでとう。良かったですね。」
「はい・・・ありがとうございました。」
嬉しくてたまらない という表情でミーシャは答える。

 

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