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「ちょっとぉ いつまで目の前に突っ立ってんのよ。」

突然背後から怒鳴られて驚いて振り返る。
すぐ後ろで地面に腰を下ろした女の人が僕のことを睨んでる。

「ご・・ごめんなさい。」

慌ててその場から少し離れた場所に移動する。

初心者修練所というところから突然送り込まれた
夕暮れの砂漠の町。
シーフになるのを目指してがんばってるのに
僕はまだ一度もモンスターを倒せずにいる。
今も、モンスターを倒しきれなくて気を失って
街に戻ってきて傷が癒えるのを
ぼんやりと立って待っていたところ。

さっきの女の人に怒鳴られて怖いけれど
傷が癒えるまではじっとしていなくちゃいけない。
早く傷が癒えてくれないかと焦りながら待っていたとき、
またさっきの女の人の声。

「ねえ・・。」

僕のことかな・・・。恐々と振り返ると
やっぱり僕のことだ・・・。女の人が睨んでる。

「ご・・ごめんなさい。もう少しでいなくなるので・・。」

「いや・・そうじゃなくてさ。」

「え?」

「ごめんね回復中だったんだね・・。
 突っ立ったままってことは、まだ座れないってことか。」

そう言いながらその女の人はポケットからりんごを取り出して
僕に投げつけてくる。

「っ!」

そのりんごを受け取ってその女の人を見る。

「食べなよ。さっき拾ったんだ。あんたにあげる。」

睨まれているような気がしていたけれど、
よく見るとそうではないような感じ。

「・・・ありがとう。」

実はとてもお腹がすいていたので
受けとったりんごをすぐその場で食べてしまう。
りんごのおかげで傷も早く癒え、
すぐに街の外に出てモンスターを倒しにいこうと考えたとき、

「その様子だと・・苦労してるみたいだね・・。
 私が手伝ってやろうか?」

女の人は立ち上がって、
服についた砂をぱんぱんと払う。
ぼんやりしていると女の人は歩き始めてしまう。

「ついておいでよ。」

有無を言わせないその雰囲気に圧倒される。
この女の人、少し怖いような気がするけれど
手伝ってくれるというのでついていくことにした。

町を出てしばらく歩いたところで
数匹のモンスターがいるのが見えた。
女の人は地面の小石を拾い、
そのモンスターたちに石をぶつける。
モンスターたちが女の人のところに集まってくる。

「早く殴ってね。」

女の人はそういって地面に腰を下ろす。
襲い掛かるモンスターの攻撃は全て見事に回避している。
それでも、その人に怪我をさせてはいけないと思い、
モンスターを殴る。

「そうじゃないよ。体の重心を前に突き出すように。
 そう、足を踏み込んで。」

闇雲にナイフを振り回していた僕に
厳しい言葉が投げかけられる。
でも、その言葉の通りに動くと、
攻撃がモンスターに当たる。
なるほど、こう動けばよかったのか。
何度か続けていくうちに、
ナイフの使い方や体の動かし方が
わかってきたような気がした。


「すっかり暗くなっちゃったね。」

やっとシーフへの転職試験を受けられるだけの力がついたとき、
辺りは既に真っ暗闇になっていた。

「今日はゆっくり休んで、明日試験を受ければいいよ。」

「・・・・・。」

試験 という言葉を聞いて、不安がこみ上げてきた。
僕は一人じゃモンスターを倒すことができなくて
ずっとこの女の人に手伝ってもらいながらここまで来た。
試験は僕一人で受けなければいけないのだろうし
たった一人で試験をクリアすることができるのだろうか。

「ん?どうかした?」

女の人が僕の顔を覗き込む。

「・・・僕・・・試験をクリアできるのか・・不安です。」

「ああ・・大丈夫よ。そんな難しいものじゃないしね。
 あんたもまともに戦えるようになってるんだし 安心しなよ。」

女の人は軽くそういうけれど、
不安で仕方がない。
不安そうな顔の僕を見て、女の人が僕の腕を引っ張る。

「え?」

「おいで。」

手を引かれるまま、女の人についてゆく。
着いた場所は宿屋。
女の人は手続きを済ませて僕を部屋へと引っ張ってゆく。

部屋についたとたん、女の人は僕を抱きしめてきた。

「!?」

どうしたら良いのかわからない。
抱きしめられるままでいたとき、
女の人が耳元に囁いてくる。

「緊張を和らげてあげるからね。楽にしてね。」

耳元に息を吹きかけるように囁かれる。
全身に鳥肌が立つような感覚がして
体を硬くさせていると
女の人が僕の顎に手を添え、
顔を近づけてくる。

「ん!?」

あ っと思ったときには
僕の唇に女の人のそれが重ねられ、
すぐに唇を割るようにして舌が差し込まれてくる。

「ん・・ぁ・・ちゅく・・・。」

女の人の唾液が注ぎ込まれてくる。
僕はなぜか、注ぎ込まれるものを素直に飲み込む。

「・・っ・・・くちゅ・・・ちゅっ・・・。」

しばらくの間唇を重ね、舌を絡ませていくうちに、
両足が痺れて、立っていることが辛くなってくる。
いや・・両足だけじゃない。全身に軽い痺れのようなものを感じる。

体がふわりと宙に浮いたような気がした。
頭がぼーっとしてよくわからないけれど
女の人が僕を持ち上げてベッドに寝かせてくれてるようだ。

「軽い毒を飲ませたの・・・。少し痺れるかも・・・
 ・・解毒・・・・怖がらないで・・・。」

全身の痺れからなのか、意識が朦朧としてる。
女の人の声が途切れ途切れに聞こえてくる。

しばらくぼんやりとしていると、
腕の辺りが暖かくなってきた。
女の人が手に何かを持って、
僕の手に何かをしている。

「ぅ・・・ぁ・・・・。」

何をしているのか 声を出して問い掛けたいのに
痺れのせいでうまく言葉がでない。

「汗かいたから、 綺麗にしてあげるね。」

今度は女の人の声がはっきりと聞き取れた。
暖かいタオルで、僕の体を拭いてくれてるらしい。
体が痺れて辛いはずなのに
なぜだか心地よい。

まだ痺れは残るけれど、意識ははっきりとしてきた時、
僕は自分が何も身に付けていない状態だということに気づいた。

「・・・っ・・・ぁぁ・・・ぅぅ・・。」

まだ・・言葉は発せられない。
何かを言おうとする僕の唇に、
また唇が重ねられる。

先ほどとは違う、軽く触れるだけで、
女の人の唇は僕の唇を離れ、
首筋を伝っていく。
全身の軽い痺れで感覚が無いはずなのに
女の人の唇のやわらかさと暖かさを感じる。

「っ・・ぅぁ!」

女の人が、僕の乳首をぺろぺろと舐めている。
その感触が気持ちよくて、
僕の体がぴくん と小さく跳ね上がる。

やがて女の人の舌が、僕の体中のいたるところを這いまわる。
脇の下、腕、指先、太ももから足のつま先まで、
ゆっくりと、やわらかくて暖かい感触が僕を包む。
いつのまにか痺れは収まっていた。

「・・っ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・・。」

僕はずっと声をあげている。
もう、言葉を発することができるはずなのに、
情けない喘ぎ声しか出てこない。
痺れが抜けて抵抗することだってできるはずなのに
抵抗する気持ちにはなれなかった。
体の中心がかぁっと熱い。

突然体がビクン!と大きく跳ね上がったとき、
女の人が僕のあれを口に含んでいた。

「っ! だめ・・そんなトコ・・ぁ・・・ぁぁっ!」

くちゅ・・じゅぷ・・。と恥ずかしいぐらいに大きな音が聞こえる。
包み込まれるような暖かさと、からみついてくるやわらかい舌。
あまりにも気持ちが良くて、体が溶けてしまいそうだ。

「く・・・はぁ・・・ん・・・・。」

僕が僕じゃないみたいな声を出している。
女の人が口にくわえている部分が熱くて、
爆発でもしてしまうのではないかという感覚に襲われる。

「ん・・んん・・・・・・・。」

もう耐えられない と思った瞬間。
女の人の唇が僕のあれから離れる。

「ふ・・・くぅ・・・や・・・やめない・・で・・。」

ふいにそんな言葉が口から発せられた。
女の人を見つめているはずなのに、
世界がぼやけて見える。

体がふわりと浮き上がったような感じがして
気が付くと僕は四つん這いにさせられていた。

女の人が僕の背中にも舌を這わせてくる。

「ん・・ああ・・・はぁ・・・。」

女の人の舌は、柔らかくて暖かくて気持ちがいい。
暖かく包んでもらえてるような感覚。

女の人の舌が僕の腰の辺りへと降りてゆき、
やがてもっと下のほうまで降りてくる。

「あ・・だめっ・・・ああっ。」

舌が、僕のお尻の穴に差し込まれる。
恥ずかしいという気持ちと
気持ちよさでヘンな声がでてしまう。

「だ・・だめ・・だよ・・おしり・・汚い・・よ・・・んっ・・・。」

ぴちゃぴちゃと恥ずかしいぐらいに音をたてられる。

「・・・汚くなんかないよ。あんたのここは美味しいよ。」

その言葉で、ますます恥ずかしくて体中が沸騰したように熱くなる。

僕のあれが痛いぐらいまで熱くなってる。
苦しいような心地よいような不思議な感覚。
女の人の手が僕のアレを握り、扱き始める。

「んっ・・・はぁ・・・はぁ・・・だめ・・だめぇ・・。
 あ・・・っ・・・・ん・・・・あああああ!」」

おしりの穴と、あれへの刺激で
僕の中で何かがはじける。
高いところからまっさかさまに落ちていくような感覚と同時に
僕は射精してしまったようだ。
それを確かめる間もなく、頭の中が真っ白になって
僕の意識はそこで途絶えた。

「ほら、起きてよ。試験いくんでしょう?」

頬をペチペチと叩かれて目がさめて慌てて起き上がる。
窓の外は明るくなっていた。
なんだか、とてもすっきりした気分。
体も軽くなったような感じがする。

女の人が僕に何本かの短剣を手渡してくる。

「これは試験のときに使いなさい。
 で これはシーフになってから
 色々な狩場によって使い分けてね。」

慌しく準備をさせられて、宿屋を出る。

「私はここまで。あとは一人で頑張りな。」

転職試験の手続きを済ませ、
試験会場の前までやってきたとき、
女の人はそう言って僕の元から立ち去ってしまう。

僕の荷物・・なんだかものすごく重い。
袋の中を見るとたくさんの牛乳が入ってる。

あの人が入れてくれたんだ・・・・。

お礼を言いたかったのに、
言わせてももらえなかった。
早く試験を済ませて、あの人を探してお礼を言わなくては。

そう考えながら僕は、試験会場の入り口の男の人に声をかける。


あの人はアサシンという職業だった。
僕はあの後すぐにシーフになり、アサシンになって
長い時間をかけて探し出して、
やっとあの人にお礼を言うことができた。

そして今、僕の腕の中で静かに眠ってるのがあの人で・・・。
まあその後の話はまた・・別の機会に・・。

 



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